10,ジャンプシュートの練習
ジャンプシュートは、走る・跳ぶ・投げる動作を連続、融合させたものであり、その3つの運動が出来る子どもは、数をこなせば出来るようになるものである。ジャンプシュート練習は次のような過程で進める。
①ジャンプシュートの導入練習
・ジャンプシュートの大ざっぱなイメージをつかませてやらせてみる。
先生の説明や師範の後、少人数で(2〜4人)で走ってジャンプして投げるという動作の経験をさせる。ゴールに向かって投げる必要はなく、出来るだけ短時間に数多く行いジャンプシュートの感覚をつかませる。
・子どもの試技をみながら、ジャンプシュートの動作に必要なポイントを指摘する。
いろんなポイントを一度に指摘しても混乱するので、試行錯誤する中で子どもが徐々にシュート動作のイメージを描き、実際の行動と一致していくようにアドバイスを送る。
以下はアドバイスの例であるが、ジャンプシュートを子どもが習得していく過程で、動作の仕方に注意を払うポイントである。先生は、このようなポイントをこどもができるできないに関わらず指摘して、子どもがジャンプシュートのイメージを獲得していくようにする。
・アドバイスの例
- 「もっと思い切ってジャンプして投げてみよう」
- 「左足でジャンプしてみよう」
- 「ジャンプの踏み切り足(右足)に合わせてバックスイングしてみよう」
- 「思い切って振り込み足(右足)を高くあげてみよう」
- 「踏み切る一歩前から腰を落としてみよう」
- 「踏み切るとき左足を上からたたきつけるように踏み切ってみよう」
- 「振り込み足をあげるとき腰も引いて(バックスイング)みよう」
- 「バックスイングするとき途中で左手を前に伸ばしてみよう」
- 「バックスイングして空中に跳び上がったら、ゴールキーパーを見るつもりで一瞬止まってみよう」
- 「助走のスピードを上げると跳びやすくなるよ」
- 「 助走のスピードを上げるとボールのスピードがますよ」
- 「バックスイングを終えた姿勢は、前から見たときボールが頭の後ろにくるように上体を捻ってみよう」
- 「投げるときは(フォワードスイング)手から投げようとしないで腰から(身体から)投げるようにしてみよう」
- 「投げるときは(フォワードスイング)、伸ばした左手を身体に引きつけるように思い切って引きつけてみよう」
体育の授業では、ハンドボールに割り当てられる時間は多くはない。準備運動などでは出来るだけボールを扱うなど技術的な内容を使って行う必要がある。上記のようなジャンプシュートの動作練習は常にウォーミングアップの一部として取り上げると効果的である。
②ゴールに向かって実際にシュートしてみる。
ジャンプシュートの練習は主に動作の獲得に重点を置く練習に加えて、実際のゴールに向かってシュートしてみる経験が必要である。ゴールに向かって走り込み、ゴールエリアラインを踏まないようにシュートする。ゴールキーパーに取られないようにシュートする感覚は、ゴールキーパーのいるゴールに向かって練習するのが一番である。その順番としては
a,ドリブルしながらゴールに向かいジャンプシュート
自分でボールを持ち、ドリブルしてゴールに近づき、走るスピード、リズムを失わないでシュートする。
↓
b,ワンドリブル(ボールを一度弾ませるだけ)からシュート
ワンドリブルで相当の距離を移動することができる。ドリブルをする前の3歩とワンドリブルの後の3歩を有効に使ってシュートする。
↓
c,パスを受けてのシュート
他者からパスをもらってシュートすることは、コンビネーションの始まりである。パスを送る側、送られる側の動きに協調が必要である。パサーはゴールに向かい走り出したシューターに上手にパスを送る練習をする。ボールをもらう側も、もらうタイミングを知らせるために、「ハイ」と声を出してタイミングを計かるようにするとよい。
↓d,位置をかえてのシュート(サイド、ポスト、ロングなど)
ゲームで全面を攻めることが出来るよう、いろいろなポジションでシュート練習する。
↓
e,戦術的なシュート(フェイントやコンビを組む)
ディフェンスを突破してシュートしたり、味方とコンビネーションを組んでシュートする練習をする。